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REPORT

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「やきもの」のある空間

ANA 羽田空港国内線プレミアムメンバー優先チェックインカウンター  -「日本の伝統美」焼きもので彩るおもてなしの空間-

2025/01/15

「やきもの」のある空間 - 第4回 - 
 陶板 (toban)×羽田空港

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 2024年12月より順次リニューアルされているANAの羽田空港国内線プレミアムメンバー優先のチェックインカウンター、そのファサードに陶板を採用いただきました。今回、「日本の伝統美」がデザインコンセプトの一つとなっていて、古くから身近にあり、工芸としても発展してきた「焼きもの」がその空間構成の一要素として選ばれました。

  • ANA SUITE CHECK-IN 
  • ANA PREMIUM CHECK-IN(北側) 

 黒系とブルー系、2種類の小さな試作品づくりからプロジェクトはスタートしました。見る角度によって微妙に変化する色合い、凹凸のある表面の質感など、試作品を比較しながら入念な打ち合わせを重ね最終的な仕様を決定していきます。デザイン上、1枚の陶板の中で性質の異なる釉薬を掛け分ける手法を用いるため、釉薬層の厚み調整や焼成温度の設定に注意を払いながら試作を進めました。採用された釉薬は濃度や焼成時の条件により色合いが変化しやすく、要望通りの表情を再現することが大変難しいものとなりました。原寸でのモックアップで最終的な仕様が決定し、本製作が始まってからも、陶板を全て敷き並べ、色のばらつきを確認しながらの作業が続きます。最後に焼き上がった陶板を弊社が責任施工し、こだわりの詰まったファサードが完成しました。

  • 試作品を比較し色合いや質感を検討 
  • 原寸モックアップの様子 
  • 本製品の検品 
  • 陶板を敷き並べ釉薬の厚みに注意しながら施釉 

 陶板表面の釉薬は天然原料に含まれるシリカや金属酸化物などが高温で溶けて混ざり合い、冷却の過程で再結晶し耐久性のあるガラス層を形成しています。ANAカラーをイメージした濃いブルーは主にコバルトを使用し発色していますが、微量に含まれる金属酸化物が、奥行きのある色合いを創り出しています。黒い釉薬も結晶斑が見て取れるなど、どちらも伝統的な焼きものならではの趣のある表情に仕上がりました。

  • 1枚の陶板の中で性質の異なる2種類の釉薬を使用 
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 また、今回の陶板には機内で割れや欠けにより、使用できなくなってしまった廃棄食器を材料として活用しています。細かく粉砕して釉薬に配合することで、豊かな表情を作り出す重要な要素となりました。限りある資源を循環させ持続可能な社会の実現にも貢献したいというANAの想いも込められています。

  • 機内で使用できなくなった食器 
  • ミルを使用して粉砕 

 今回、多くの方が利用するおもてなしの空間に採用いただいたことで、陶板自体の魅力がより引き出されたように感じます。私たちはこれからも、お客様がイメージする空間を焼きものを通し形にできるよう、努めて参ります。

  • ANA SUITE CHECK-IN 

■リニューアル詳細
・ANA SUITE CHECK-IN 2024年12月2日リニューアル
・ANA PREMIUM CHECK-IN(北側) 2024年12月18日リニューアル
・ANA PREMIUM CHECK-IN(南側) 2025年夏リニューアル予定

ANA 羽田空港国内線プレミアムメンバー優先チェックインカウンター -「日本の伝統美」焼きもので彩るおもてなしの空間- PDF資料(800KB)

  • 陶板(toban)
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