3月18日、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館で、法隆寺金堂壁画第1号壁の焼損前の姿を復元した陶板がお披露目されました。
国の重要文化財にも指定されている法隆寺金堂壁画は、飛鳥時代に描かれた最高傑作の仏教壁画として知られていますが、1949年(昭和24年)の火災により焼損し、現在は一般公開されていません。
今回お披露目された復元陶板は、本来は見ることができない焼損前の鮮やかな壁画の姿を、間近で見て触れる機会を創出し、文化財の大切さ、未来へと引き継ぐ重要性を広く発信することを目的に奈良県から委託を受け、1935年(昭和10年)に撮影されたガラス乾板のデータをもとに製作し、データでは判別できない細かな表現や色使いは、日本画などの専門家の助言をいただきながら、比較検証を重ねて完成させました。
この復元陶板は、昨年(2022年)9月~12月にかけて、中国・清華大学芸術博物館にて行われた「日中交流二千年アジアをつなぐ美と精神」展で展示された後、この度、同館に常設展示されることとなりました。
除幕式では、橿原考古学研究所の青柳正規所長から「先人の知見、ガラス乾板、大塚オーミ陶業の技術の3つがそろって精緻な復元が出来た。文化財保存の努力と重要性を多くの人に理解していただきたい」とお話され、文化財保存のひとつのモデルとなるだろう、との評価をいただきました。
復元陶板は、博物館の玄関ホール壁面に、2019年に弊社で製作した焼損後の複製陶板と向かい合わせに設置されており、火災前後で壁画全体の印象が大きく変わっていることが実感できます。
是非、この2点の陶板を見比べて鑑賞し、文化財の大切さを感じていただければと思います。
■奈良県立橿原考古学研究所付属博物館
〒634-0065 奈良県橿原市畝傍町50-2
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(月曜が休日にあたる場合は開館し、その翌日休館)
※玄関ホールの入場は無料
公式HP:奈良県立橿原考古学研究所附属博物(kashikoken.jp)
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