11月10日、11日に、滋賀県立膳所高等学校で同校の美術を選択する1年生に対し、「文化財の保存と活用」をテーマにした授業を、長壽寺(滋賀県湖南市)の藤支住職とともに行いました。
この授業は、「文化財を知り、考える~インクルーシブ社会と文化財の活用~」と題した全5回のうちのひとつで、第3回目の今回は、「文化財のこれからの活かし方~アートとテクノロジー~」というテーマのもと、長壽寺所蔵の仏画「地蔵曼荼羅」と弊社が製作させていただいた複製陶板を例に挙げ、保存と活用の実例について生徒と一緒に考えました。
▶滋賀県・長壽寺「地蔵曼荼羅」|複製陶板がお披露目のニュースはこちら
授業は持ち込んだ陶板サンプルを布で隠し、視覚障がいのある方と同じような状態で触れて生徒たちの想像力を膨らませることからスタート。藤支住職より、仏画の歴史や修復、今回の複製陶板に対する想いをお話しされた後、弊社からは、視覚障がいを持つ方にも複製陶板に触れることで、この作品を感じてもらうための製作上の苦労やこだわりについて紹介しました。
授業を受けた生徒からは「見るだけでなく触れることで文化財を身近に感じることができた」「視覚障がいを持つ人のことを考えるきっかけになった」といった感想をいただきました。また、主催した同校の山崎教諭は「実際に地元の寺院と企業が連携して行われた事例を通し、携わった人の想いや恩恵を受けた方々のお話しを聞き、さらにその作品に触れられたことは、生徒にとって大変貴重な機会となった」とお話しされました。
やきものの利点を生かした「触れる」授業により、見るだけでは気付けない細かな部分への理解や、その文化財に親しみを持つことにもつながると感じました。今後も広い世代に対して教育につながる活動を続けてまいります。